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下請け業者にはいつまでに払えば良い?下請法の60日ルールについて解説

下請け業者にはいつまでに払えば良い?下請法の60日ルールについて解説

事業を営んでいく中では、自社の業務を下請け業者へ依頼するケースがあります。

下請事業者への代金の支払いについては、下請法という法律があります。下請事業者の利用にあたっては、このルールを正しく理解しておく必要があります。

本記事では、下請け法の概要や支払期日について詳しく解説していきます。下請け事業者への発注を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

下請法とは

下請法とは、「下請代金支払遅延等防止法」が正式名称であり、独占禁止法を補完する法律です。

独占禁止法は、公正・自由な競争の実現を目的として定められている法律です。下請け法も同趣旨に基づく法律であり、下請け事業者に対する親事業者の不当な取扱いを規制することを目的としています。

下請法が適用される取引

下請法が適用される取引範囲は、「①取引の内容」と「②取引当事者の資本金」の2つの区分に分けて定められています。これらの条件を満たす取引に対して、下請法が適用されるのです。以下で、それぞれの区分について説明していきます。

①取引の内容

・物品の製造委託
・修理委託
・情報成果物委託(プログラムの作成に限る)
・役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管及び情報処理に限る)
・情報成果物委託(プログラムの作成を除く)
・役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管及び情報処理を除く)

②取引当事者の資本金

取引事業者の資本金については、①取引の内容によって金額が異なり下表のようになります。

まとめると次の図のようになります。

親事業者下請事業者

・物品の製造委託
・修理委託
・情報成果物委託(プログラムの作成に限る)
・役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管及び情報処理に限る)
資本金3億円超の法人事業者
資本金3億円以下の法人事業者(又は個人事業者)
資本金1000万円超3億円以下の法人事業者資本金1000万円以下の法人事業者(又は個人事業者)

・情報成果物委託(プログラムの作成を除く)
・役務提供委託(運送、物品の倉庫における保管及び情報処理を除く)、物品の倉庫における保管及び情報処理に限る)
資本金5000万円超の法人事業者資本金5000万円以下の法人事業者(又は個人事業者)
資本金1000万円超5000万円以下の法人事業者資本金1000万円以下の法人事業者(又は個人事業者)

支払期日はどのように定めるのか

下請業者への支払い期日については、下請法2条の2で以下のように定められています。

下請法2条の2(下請代金の支払期日)

①下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査するかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して、60日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定めなければならない。

②下請代金の支払期日が定められなかつたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日が、前項の規定に違反して下請代金の支払期日が定められたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して60日を経過した日の前日が下請代金の支払期日と定められたものとみなす。

これらを守る上でのポイントは3つあります。以下順番に紹介していきます。

起算日について

下請代金の支払い期日は、成果物の検査の有無を問わず、給付を受領した日から起算されます。

従って、給付の受領日が起算日となるため、契約書に「検査が完了した時点を引き渡しとする」等の記載があったとしても、下請法においては受領日を起算日として、60日以内に下請け代金を支払わなければなりません。

受領について

「受領」の定義について、下請法では「自己の占有下に置く事」「自己の支配下に置く事」とされています。

従って、親事業者が所有する倉庫に納入する場合だけではなく、親事業者の指示により他の会社の倉庫に成果物を納入させた場合や、親事業者が下請事業者の工場で検査を行った場合でも、倉庫への納入時や検査開始時には受領したものと判断されます。

月末締め翌月払い

代金の支払いに関しては、実務上は月末締め翌月末払いとされているケースがほとんどです。

そのため、下請け法における支払期日の「60日」は、運用上は「2ヶ月以内」と読み替えられます。従って、起算日から支払期日までに、1月の日数が31日ある月を含んでいたとしても、月末締め翌月末払いであれば下請法違反とはなりません。

下請代金を銀行振込で支払う際の注意点

月末締め翌月末払いの条件で、下請代金を銀行振込で支払うこととしている場合には注意が必要です。

支払日が銀行休業日に当たる際に翌銀行営業日に支払うことにしている場合、受領日から支払日までの期間が2ヶ月を超えてしまう恐れがあるからです。

このような場合では、下請事業者とあらかじめ書面で合意し、順延期間が2日以内であれば問題がないとされています。このことを知らずに、書面で合意することなく翌営業日に下請代金を支払い、公正取引委員会等による指導対象となるケースが散見されるため注意が必要です。

支払が期日を過ぎた場合どうなるのか

親事業者は、成果物の受領から60日以内に下請代金を支払わなかった場合、60日を経過した日から実際の支払日までの期間について、年率14.6%の遅延利息の支払い義務が発生します。

故意・過失を問わず、親事業者が下請法で定める支払期日を遅延した場合、思わぬ経済的損失を被る可能性があります。下請法、特に支払期日に関しては、十分に理解しておく必要があります。

まとめ

本記事では、下請け法の概要や支払期日について詳しく解説してきました。下請事業者は親事業者に比べて立場が弱いため、下請法によってさまざまなルールが定められています。

親事業者はこれらのルールについてよく理解し、遵守することが求められています。下請法は法律によって定められているルールであるため、知らなかったでは済まされません。折に触れて下請法をよく理解し、親事業者と下請事業者の双方が気持ちよく取引できる環境を実現していきましょう。