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デッドファイナンスとは?
デットファイナンスとは何かというと、金融機関や投資家からお金の借り入れや社債等を発行することで、資金調達をする方法のことをいいます。
また、一言でデットファイナンスと言っても資金調達にはいくつか種類があるため、それぞれの特性を理解して自分に最も合った所から借り入れるということが重要です。
デッドファイナンスのメリット
具体的にデットファイナンスによる資金調達のメリットは何かというと、様々なので詳しく見ていきましょう。
選択肢が豊富
まず、選択肢がたくさんあるという点がメリットとして挙げられます。デットファイナンスでは、様々な金融機関からの融資以外にも、社債の発行等の選択肢も存在します。
選択肢の種類が多いので、自分の都合に合わせやすいという点が大きなメリットです。
経営権を保持しやすい
また、経営権を保持し続けやすいという点も魅力の1つです。
例えば、自分が所有している株式を売却して資金調達を行うとなると、自分が持っている株のパーセンテージが低くなってしまい、下手をすると経営権を奪われてしまう恐れがあります。
しかし、デットファイナンスならそんな心配はありません。引き続き経営権を保持しながら資金調達をすることができるので安心です。
デッドファイナンスのデメリット
一方、デットファイナンスにはデメリットもいくつかあります。
負債が発生する
まず、負債が発生してしまうという点です。デットファイナンスで資金調達を行うと、他人の資本から資金を借り入れた事となってしまいます。その結果必然的に負債が発生します。
負債が発生すると、それだけで会社にとって負担になりますし、毎月返済をしなければなりません。しかも返済に伴う利息や手数料も合わせて支払う必要があります。このように負債が発生するという時点で、大きなデメリットです。
景気や情勢に左右される
また、景気や社会情勢に大きく左右されるというのもデメリットの1つです。例えば景気や社会情勢が悪化し不安定化すると、銀行等の金融機関からの貸し付けが一時的に停止されるという可能性があります。
そのため、デットファイナンスを中長期的に利用しようと計画していると、その途中で景気悪化による影響を受けて銀行からの貸し付けが止まってしまい、資金調達が出来なくなる恐れがあるということは知っておきましょう。
エクイティ・ファイナンスとの違い
では、デットファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いは何なのでしょうか、詳しく見ていきましょう。
返済義務が発生しない
まず、大きな違いとして挙げられるのが、返済義務の有無です。
デットファイナンスでの資金調達では、端的に言うと負債が発生するので、借金に該当します。そのため、当然のことながら、融資元に対して借りた資金を返済する必要があります。もちろん、契約内容にもよりますが、返済する時は借りたお金に利息を追加して支払うというのが一般的です。そのため、デットファイナンスによる資金調達で得たお金が大きければ大きいほど、金銭的な損失も増えていきます。
一方、エクイティ・ファイナンスによる資金調達を行っても、基本的には返済義務は発生しません。これがデットファイナンスとの大きな違いです。
しかし、配当金等の形で資金を出してくれた投資家達に利益を分配しなければならなくなるので、返済義務がないから全く負担がないという訳ではないということは知っておく必要があります。
自己資本として扱われる
資本としての扱いも異なります。デットファイナンスは借り入れによる資金調達という扱いになるため、これで得た資金は他人資本として扱われます。
一方、エクイティ・ファイナンスは、自社にどれ位の価値があるかによって資金を調達するという形をとるので、自己資本として扱われる場合が多いです。
この自己資本であるかどうかということが、会社の大小に関わらずかなり重要なポイントになってきます。何故なら会社全体の資本に対して、自己資本の割合を自己資本比率と言うのですが、この自己資本比率は銀行等から融資を受ける時に審査基準の1つとしてチェックされるからです。
具体的には、自己資本比率が40パーセント以上であれば経営が安定しているとみなされ、70パーセント以上あれば理想の会社としてみなされます。しかし、40パーセント以下だと、経営が危ないと判断されることもあるので、デットファイナンスでの資金調達には注意が必要です。
貸借対照表上でも資本として扱われる
他にも、賃借対照表上での扱いも異なります。
デットファイナンスで調達した資金は、賃借対照表上では負債という扱いです。そのため、沢山資金を調達すればするほど当然貸借対照表での負債も大きくなっていき、それを見た金融機関からは悪い印象を持たれてしまいかねません。
その一方でエクイティ・ファイナンスで調達した資金は資本として扱われるため、資金を調達すればするほど自社の資本も増えていき、自己資本率も増えていくので周囲からの印象も良くなるという、同じ資金調達でも方法が異なるだけで、全く逆の印象になるというのが大きな違いです。
経営権を握られやすい
また、株主の権限がそれぞれ異なるというのも違いの1つとして挙げられます。
デットファイナンスによる資金調達はいくら行っても、株式には直接関係しません。そのため、資金調達によって、経営が株主に握られてしまうということはまずありません。
しかし、エクイティ・ファイナンスによる資金調達だと全く逆です。株式を購入してもらうという形で資金を調達するので、調達する金額が大きければ大きい程株式も株主側に渡るということになり、経営権を握られやすくなってしまいます。
もちろん、株主に経営権を握られてしまうことが悪いということではなく、場合によってはそのことで状況が好転することもあり得ます。ただし、経営者側の立場に立ってみると、株主の声が大きくなるということはそれを無視できなくなるということでもあり、自分の好きなように経営出来なくなってしまうのでマイナスでしょう
まとめ
このようにデットファイナンスにはメリットとデメリットの両面があるため、利用する場合ははっきりとこれらを見極めた上で検討する事が重要です。
またエクイティファイナンスとの違いを理解した上で、どちらの融資が良いのか、デメリットを理解した上で利用しましょう。