新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国的に感染防止措置がとられていますが依然として収束は見えません。こうした状況を踏まえ、政府では様々な給付金や支援金の制度を設けています。
本記事では、新型コロナウイルスに関連して申請できる給付金や支援金についてご紹介します。法人だけでなく、個人事業主やフリーランスの方でも申請可能なものも多いので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
月次支援金
月次支援金は、事業継続および立て直しのための支援金を支給する制度です。令和3年4月以降の緊急事態宣言、又はまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業外出自粛等の影響により売上が減少した中小法人や個人事業者が対象です。
以下の表に概要をまとめます。
対象者 | 以下のどちらにもあてはまる事業者 ①緊急事態措置またはまん延防止等重点措置に伴う、飲食店の休業・時短営業または外出自粛等の影響を受けている ②2021年の月間売上が2019年または2020年の同月比で50%以上減少している |
給付額 | 法人20万円/月、個人10万円/月を上限に支援 |
申請期間 | ・6月分の月次支援金の申請期間 2021年7月1日~8月31日 ・7月分の月次支援金の申請期間 2021年8月1日~9月30日 ・8月分の月次支援金の申請期間 2021年9月1日~10月31日 ・9月分の月次支援金の申請期間 2021年10月1日~11月30日 |
雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)
雇用調整助成金は、雇用保険適用事業所が労働者に対して休業手当を支給している場合、国が休業手当の支払いを助成するものになります。
以下の表に雇用調整助成金の特例の原則的な措置と地域特例、業況特例をご紹介します。カッコ内の割合は、解雇を行わなかった場合の助成率です。
【原則的な措置】 対象事業主 | 雇用保険に加盟しており新型コロナウイルス感染症の影響により売上が前年同月比で5%以上減少している者 |
助成対象となる労働者 | 雇用保険被保険者、被保険者でないパート・アルバイトも対象 |
助成率 | 中小企業:4/5(9/10)大企業: 2/3(3/4) |
助成上限金額 | 1日当たり13,500円 |
【地域特例】 対象事業主 | 「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」の対象地域で、知事による基本的対処方針に沿った要請に基づいて、営業時間の短縮等に協力する企業 |
【業況特例】 対象事業主 | 売り上げ高等の生産指標を、直近3か月間の月平均値と前年同期または前々年同期の月平均値を比べて30%以上減少した全国の企業 |
助成率 | 中小企業:4/5(10/10)大企業: 4/5(10/10) |
助成上限金額 | 1日当たり15,000円 |
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編などの思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。
事業再構築に取り組む場合、上限1億円までを最大2/3(中堅は1/2)補助されます。さらに、緊急事態宣言の影響で令和3年1月~8月のいずれかの月の売上が30%以上減少していれば、補助率は3/4(中堅は2/3)に引き上がります。以下の表に通常枠の概要をまとめます。
補助対象者 | 中小企業、中堅企業、小規模事業者、個人事業主、企業組合等 |
主な申請要件 | ①売上が減っている※こと ②事業再構築に取り組むこと ③認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること |
補助金額 | 【中小企業】100万円以上8,000万円以下 【中堅企業】100万円以上8,000万円以下 |
補助率 | 【中小企業】2/3(6,000万円超は1/2) 【中堅企業】1/2(4,000万円超は1/3) |
対象経費 | 建物費、建物改修費、賃貸物件等の原状回復、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等 |
ものづくり補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金です。
また、低感染リスク型ビジネス枠が新たに創設されており、新型コロナウイルスの影響を受け、社会経済の変化に対応したビジネスモデルへの転換に向けた前向きな投資を行う事業者に対して、通常枠とは別に補助率を引き上げ優先的に支援されます。
低感染リスク型ビジネス枠は、広告宣伝費・販売促進費も補助対象に含みます。以下の表に概要をまとめます。
補助対象者 | ア 【中小企業者(組合関連以外)】 イ 【中小企業者(組合関連)】 ウ 【特定非営利活動法人】 |
対象事業 | 中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等 |
補助上限 | 1,000万円 |
補助率 | 2/3 |
設備投資 | 税抜単価単価50万円以上の設備投資が必要 |
補助対象経費 | 【 低感染リスク型ビジネス枠】機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝費・販売促進費 |
小規模事業持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
小規模事業持続化補助金は、小規模事業者を対象とする、幅広い目的で活用できる補助金です。
新たに創設された、低感染リスク型ビジネス枠では、小規模事業者が感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させる取り組みに対して支援されます。以下の表に概要をまとめます。
補助対象者 | 小規模事業者 |
対象事業 | ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に取り組み、感染拡大防止と事業継続を両立させるための対人接触機会の減少に資する前向きな投資を行う事業 |
補助金額 | 100万円 |
補助率 | 3/4 |
対象経費 | 機械装置等費、広報費、展示会等出展費(オンラインによる展示会等に限る)、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、設備処分費、委託費、外注費、感染防止対策費 |
IT導入補助金(特別枠:C・D類型)
IT導入補助金は、ITツールの導入に活用できる補助金です。通常枠(A・B類型)に加え、新たに低感染リスク型ビジネス枠 (特別枠:C・D類型)が創設されました。以下の表に特別枠の概要についてまとめます。
補助対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
対象事業 | 低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)は非対面化ツール※の導入が必須です。また、D類型に関してはクラウド対応されていることも条件となります。 |
補助金額 | 30万円~450万円 (テレワーク対応類型は30万円~150万円) |
補助率 | 2/3 |
対象経費 | ソフトウェア購入費用及び導入するソフトウェアの利用に必要不可欠なハードウェアのレンタル費用と関連するオプション・役務の費用 |
まとめ
本記事では、、新型コロナウイルスに関連して、申請できる給付金や支援金についてご紹介しました。
中小企業のみならず、個人事業主やフリーランスの方でも、申請可能な制度が多くあるため、自身が対象事業者に合致するのかどうかを確認してみましょう。
新型コロナウイルスは、依然として収束の目途が立ちません。事業者の方は、今後の感染状況の推移に目を配りながら、各種支援制度を活用し経済対策や感染症対策を進めていきましょう。