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資金調達を即日・急ぎできる方法をプロが解説

事業を運営していると、急ぎでまとまった事業資金を調達しなければならない場面に直面することがあります。手元にある程度の余剰金があれば問題ありませんが、そんな余裕はないというケースがほとんどかもしれません。その場合、急ぎで資金調達を考えるわけですが、資金調達とひと口にいっても方法はさまざま。一般的な金融機関や日本政策金融公庫から融資を受けるという一般的な方法は、審査に時間がかかるため即日対応は厳しいのが実情です。

そこでこの記事では、急ぎで事業資金を調達したいときに検討したい資金調達方法をご紹介。ファクタリングや手形割引、ビジネスローンなど、さまざまな方法をご紹介しますので、自社に合った方法を探してみてください。

即日調達が可能な事業資金調達サービス

以下は、最短で即日資金調達できるサービスです。状況によっては数日かかる場合もありますが、それぞれの特徴を知っておくといざという時に安心です。

ノンバンク系のビジネスローン

ノンバンク系のビジネスローンは、信販会社や消費者金融等、銀行などの金融機関以外の業者が提供している事業資金専用のローン商品です。

<ビジネスローンの主なメリット>

ノンバンク系のビジネスローンの主なメリットは以下の通りです。

  • 申し込みから審査、承認までが最短即日
  • 赤字決算や税金未納でも融資が可能
  • 原則無担保、無保証人での申込が可能
  • 年収の3分の1以上の資金も調達できる
  • 金融機関より柔軟な対応が期待できる

銀行などから借入するのに比べると必要書類が少なく、本人確認書類、決算書もしくは確定申告書、事業計画書や資金繰り表など財務状況が確認できる書類程度。審査基準も低いことから審査や融資決定までの流れがスピーディなのがメリットです。担保や保証人が不要な場合が多く、スムーズな資金調達が期待できます。

また貸金業法には、貸金業者からの借入は年収の1/3を超えてはいけないという「総量規制」というルールが定められていますが、ビジネスローンはこの総量規制の対象外。年収の低い個人事業主などにもおすすめの方法と言えるでしょう。

さらに、通常の融資の場合、赤字決算や税金未納の状態だと難しくなるケースがほとんどですが、ビジネスローンなら経営の将来性を見込んでの融資を検討してもらえる点もメリットです。

<ビジネスローンの主なデメリット>

逆にデメリットとして挙げられるのは以下となります。

  • 銀行融資に比べると金利が高い
  • 借入金額の上限が低め

ノンバンク業者は預金業務を行っておらず、金融機関から借り入れた資金を事業者に金利を上乗せして貸し出すことで、その差額の利息を利益として得ています。そのため、銀行などの金融機関に比べると金利が高く設定されており、借入総額がどうしても高額になりがちです。

また、ノンバンク系のビジネスローンは、高額融資には対応していないのが一般的。希望金額に満たない可能性があることは念頭に置いておくべきでしょう。

なお、ノンバンク業者の中には保証金と題した現金を振り込ませてだまし取ったり、法外な利息を請求したりする悪質な業者も存在するため、注意が必要です。

手形割引

手形割引とは、保有している受取手形を銀行や専門会社に売却して手形の期日前に現金化する方法です。受取手形は、記載された金額を一定の期日に支払うという約束をした有価証券で本来なら資金化までに1カ月ほどかかりますが、手形割引業者に満期日前に譲渡することで、手形の期日前に最短即日でまとまった資金を調達できます。

手形割引を扱っているのは、銀行と専門会社のどちらかです。

銀行の場合は手形割引を融資と同様に考えており、時間をかけて審査を行うため、資金調達までの期間が早くとも1週間~10日ほどかかります。

一方で専門会社の場合は、審査対象は手形振出人のみ。そのため銀行よりも早く、最短即日~1週間ほどで資金調達ができます。ただし、未回収リスクが上がるため、手数料は高めに設定されている点に注意が必要です。

<手形割引の主なメリット>

手形割引のメリットは、次の点です。

  • 融資に比べると審査に通りやすい
  • スピーディに資金化できる

スピーディーに資金を調達できる点は大きなメリットと言えるでしょう。必要なタイミングですぐにまとまった資金を得られることで、資金繰り改善が期待できます。

また、審査に通りやすい点も見逃せません。手形割引の審査は手形振出人の信用力が重視されます。そのため、経営が不安定な状況でも、信用力があれば利用しやすいです。

<手形割引の主なデメリット>

一方デメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 手形の買戻し義務がある
  • 手形割引料を支払わなければならない

万が一、振出人が手形の支払いができなくなってしまうと、手形を買い戻さなければなりません。手形の金額によっては、資金繰りがピンチに陥ってしまう可能性もあり、注意が必要です。また、割引料を差し引いた金額が手元に入るため、手形に記載された満額を受け取れないことになります。ちなみに手形割引料(手形割引手数料)は、銀行だと2%~3.5%、専門会社だと2.5%~15%ほどとなっています。

手形貸付

約束手形を担保にして金融機関などからお金を融資してもらう方法を、手形貸付と言います。1年以内に返済する短期貸付であるため、主に主につなぎ融資や短期運転資金などに利用されるのが一般的です。

<手形貸付の主なメリット>

手形貸付の主なメリットは以下の通りです。

  • 審査が早く、資金調達がスピーディ
  • 資金繰りに利用しやすい

手形貸付は1年以内の融資であるため、他の融資に比べると審査が速く、揃えなければならない書類や事務手続きも少ないケースが多いです。そのため、資金調達がスピーディで、場合によっては即日〜1週間ほどで資金調達できます。

また、証書貸付の借用書に比べると印紙税が安い上、借手と貸手の2通を作成する必要がありません。たとえば証書貸付で1000万円借りる場合、印紙税は1万円。2通分を合わせると2万円かかりますが、約束手形の場合は2000円で済みます。

さらに借入期間が原則1年以内の短期融資であるため、納税や授業員への賞与支払いといった季節的な資金として利用するなど、入金があるまでの間の短期的な資金繰りに利用しやすいです。返済も一括と分割から選択でき、運転資金の状況によって返済が行えます。

<手形貸付の主なデメリット>

反面、次のようなデメリットがあります。

  • 1年以上の融資には不向き
  • 高い信用力が必要
  • 不渡りが発生した際の倒産リスク

短期融資であるため、設備投資のような高額で借入期間が長くなる資金調達には向きません。また手形貸付で融資を受けるには「当座預金口座」の開設が必須です。当座預金を開設するためには各金融機関の審査を受けなければならず、高い信用力が問われます。さらに手形貸付は2回不渡りが発生すると、銀行取引が停止するリスクがあることも知っておきたいです。銀行取引が停止してしまうと倒産になりかねません。手形貸付を利用する際は注意しましょう。

ファクタリング

ファクタリングとは、保有している売掛債権をファクタリング業者に買い取ってもらうことで早期に現金化する方法です。

保証人や担保が不要で即日資金調達ができるだけでなく、銀行融資のように負債にならないファクタリングは、早急に資金が必要な時の強い味方となり得ます。仮に赤字経営であっても、審査対象はあくまで売掛先会社。審査に通る可能性があるため、即日資金調達したい場合は一番先に考えたい方法です。

<ファクタリングの主なメリット>

ファクタリングのメリットは、以下の点があります。

  • 早期の現金化が可能
  • 融資でないため返済義務がない
  • 売掛先に知られずに資金調達できる
  • 保証人や担保が不要
  • 信用情報への影響がない
  • 負債にならない
  • 未回収リスクからの回避

審査に何週間も要する銀行融資などとは違い、最短で即日資金調達ができるのは一番のメリットと言えるでしょう。保証人や担保が不要で、売掛金さえ存在していれば仮に債務超過や税金等未払いがあっても資金化できる点も見逃せません。ファクタリング会社に売掛金を買い取ってもらう売買取引であるファクタリングは、審査対象はあくまで売掛先。そのため負債にもならず与信にも影響しないため、ファクタリング後に銀行融資を検討している企業でも安心して活用できます。

また、ファクタリングは債権譲渡のため、売掛金の未回収リスクを回避できます。

そのほか大きなメリットと考えられるのは、2社間のファクタリングであれば売掛先・取引先に通知されずに資金調達が可能な点です。周囲に知られることなく秘密裏に進めることができるため、取引先に資金調達を知られたくない人には、ファクタリングが最適と言えるでしょう。

<ファクタリングの主なデメリット>

一方、ファクタリングのデメリットとしては次の点があげられます。

  • 売掛金以上の金額の資金調達ができない
  • 手数料がかかる
  • 3社間ファクタリングの場合、売掛先にファクタリングの利用が知られる

ファクタリングの調達金額は、売掛債権の額面までです。売却した売掛金の100%を現金化できるわけではないので、金額的に十分なのか等、事前に確認しておきましょう。

また、当然ですが手数料がかかります。売掛金の金額からファクタリング会社へ支払う手数料を差し引いた金額が入金されるため、その点は念頭に置いておきたいです。

なお、手数料はファクタリング会社によって差があるので、複数から見積りを取って手数料の相場などを確認することをおすすめします。

ちなみに、ファクタリングは3社で行う取引もあります。3社間ファクタリングは、利用者、ファクタリング会社、売掛先の3者で契約を締結する方法のため、売掛先の承諾が必要です。ファクタリングに対して売掛先の承認を得るのが難しい場合、3者間ファクタリングは利用できないので、事前に売掛先に相談の上、利用を検討しましょう。売掛先に事前相談するのは難しい、ファクタリングすることを売掛先に知られたくないなどという事情がある場合は、2者間取引を利用するのがいいでしょう。

即日資金調達したいならファクタリングがおすすめ!

いかがでしたか。今回の記事では、即日・早期に資金調達できる方法をご紹介しました。融資に比べ審査に必要な書類が少なく審査にかかる時間も短いため、急ぎで資金調達をしたい人におすすめなのはファクタリングです。つなぎ資金としても活用しやすい方法ではないでしょうか。

ファクタリングの申し込みには、通帳のコピー、請求書、印鑑証明書、実印、身分証明書、法人の場合は登記簿謄本が必要なのが一般的です。貸し倒れリスクを回避しやすい点も大きなメリットのため、個人事業主や小さな会社の利用も多くなっています

しかし、中には悪徳業者が存在しているのも事実です。ファクタリング会社を選ぶ際には、自社の情報開示をしているか、手数料の妥当性、契約に関する説明などをしっかり確認するようにしましょう。