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地方消費税とは?税率・計算方法について解説!消費税との違い

地方消費税とは?税率・計算方法について解説!消費税との違い

商品やサービスの消費に対して課税される消費税は、国税と地方税とに分けられ、地方税に該当する部分を「地方消費税」と呼びます。

消費税は所得税と並び、法人と個人に共通して納税義務がある税金です。

それでは、地方消費税と消費税の違いはどこにあるのでしょうか。本記事では、地方消費税の概要や税率・計算方法について解説していきます。

地方消費税と消費税

消費税は、商品やサービスの消費に対して課税される税金です。税金を負担するのは商品やサービスを購入する消費者ですが、税金を納めるのは消費者から消費税を預ける事業者です。

税金を負担する人と納める人が異なることから「間接税」に分類されます。

消費税は、国税と地方税から構成され地方税部分を地方消費税と呼びます。国税部分も地方税部分も、商品やサービスの消費に対して課税されるという性質は同じです。

納付する先が異なる点に違いがあり、国税部分は国へ、地方税部分は地方自治体に納付します。

消費税のしくみ

事業者が提供する商品やサービスの多くは、販売代金に上乗せする形で消費税がかかります。

2022年現在の消費税は10%ですが、このうち国税部分は7.8%、地方税部分は2.2%です。地方消費税は以下のような流れによって、国に納付されてから地方自治体へ分配されます。

①消費者が、商品やサービスを購入する際に事業者へ消費税を支払う。

②納税義務者である事業者が、消費者から預かった消費税を国の出先機関である税務署に納付する。

③消費税のうち2.2%の地方消費税部分が、商品・サービスの販売額や人口、従業者数などの統計数値に基づき、地方自治体に分配される。

納税対象者について

消費税の納税対象者は、納税義務が課せられる事業者です。この場合の事業者には、個人事業主と法人の両方が含まれます。

納税義務は、売上高が小規模である事業者等に対しては免税制度が設けられています。納税義務が免除されるか否かは、以下の2段階によって判定されます。

①基準期間の課税売上高が1,000万円を超えるか

基準期間とは、納税義務を判定する年(法人の場合は事業年度)の前々年を指します。

また、課税売上高とは、消費税が課される売上高のことをいいます。

基準年度の課税売上高が1,000万円を超える場合、課税事業者として消費税の納税義務が発生します。反対に、1,000万円を超えなかった場合、次の基準のよって判定を行います。

②特定期間の給与等支払額が1,000万円を超えるか

特定期間とは、個人の場合は、納税義務を判定する年の前年1月1日から6月30日の期間を指します。

法人の場合は、納税義務を判定する事業年度の全事業年度開始日以後6ヶ月の期間を指すのが原則です。これら両方に該当した場合は、課税事業者になります。

反対に、両方に該当しない場合は免税事業者となり、消費税の納税義務が発生しません。ただし、資本金の金額が1,000万円以上の新設法人は、これらに該当しなくとも課税事業者となります。

税率と計算方法

消費税の税率は、10%に引き上げられるとともに、軽減税率8%もが導入されています。現在の消費税の税率は以下の通りとなっています。

税率区分旧税率標準税率軽減税率
消費税率6.3%7.8%6.24%
地方消費税率1.7%
(消費税額の17/63)
2.2%
(消費税額の22/78)
1.76%
(消費税額の22/78
合計8.0%10.0%8.0%

消費税の確定申告では、消費税と地方税を分けて計算する場合があります。

その際には、上記表中の地方消費税率内のカッコ書きの割合を用いて計算します。

標準税率10%の場合を例にすると、地方消費税を含まない消費税に対して、22/78を乗じることによって地方消費税の金額を算定することができます。

納税期限と納付方法

消費税を納付する際は、国税部分と地方税部分をまとめ、同じ申告書によって申告します。納税についても、1枚の納付書で国税と地方税の合計額を納付します。

消費税の納付期限は、法人の場合、事業年度の終了日の翌日から2か月以内が納税期限となります。個人事業主の場合、翌年の3月末日までが納税期限です。

消費税の納付方法は、以下のいずれかを選択することが可能です。

・銀行口座からの振替納税

・インターネットから電子納税する

・銀行などの金融機関または税務署で、納付書を利用して納税する

・クレジットカードで納付する

消費税の今後

消費税の増税により、現在の消費税は国税部分が7.8%、地方税部分が2.2%となりました。

増税に伴い、消費税全体に占める地方消費税の割合は、若干ですが増加したことが分かります。

少子高齢化により社会保障費が増える一方で、労働人口の減少により所得税や法人税は減少傾向を辿る一方でしょう。地方の負担はますます大きくなり、安定した財源である消費税を引き上げる傾向は、今後も続いていくものと思われます。

消費税の仕組みを正しく理解し、増税時にもスムーズな対応が図れるようにしておきましょう。

まとめ

本記事では、地方消費税の概要や税率・計算方法について解説してきました。

事業を営む法人や個人事業主の方が納付する消費税については、地方消費税について知らなかったという方も多いのではないでしょうか。地方消費税は、各自治体に還元される税金であり、地域の活性化においても非常に重要なものです。

事業を営むうえでは、何気なく納めている消費税ですが、消費税の仕組みや地方消費税の役割について、しっかりと理解しておきましょう。