補助金を利用する際には、申請書の作成が不可欠です。審査が通りやすい補助金申請の書き方は、どのようなポイントがあるのでしょうか。
本記事では、補助金申請の書き方について、専門知識のない方でもわかるように解説していきます。様々な種類の補助金がありますが、書き方のポイントには共通点があります。これから補助金の申請を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
申請書の作成には様々な対応が必要
補助金申請の中で一番難しい点は、「申請書の作成」であるといえます。
申請書の作成では、「事業計画の策定」「市場分析や競合調査」「公募要領のポイントを抑える」など様々な対応が必要です。これらのポイントを適格に抑えられていない場合、せっかく苦労して作成した申請書も不採択となってしまう可能性があります。自社での作成が困難な場合、必要に応じて専門家のサポートを利用することも選択肢の一つです。
まずは補助金申請書の様式を確認
申請する補助金の種類によって、補助金申請書の様式はさまざまです。
多くの場合、所定の様式があるため記載内容はある程度指定されています。しかし、選択式のテスト問題やアンケートとは違い、機械的に埋めれば出来上がるというようなものではありません。補助金申請書の作成では、「書くべき事」を抑える必要があります。
公募要領から「書くべき事」を確認
それでは、補助金申請書を作成する際の「書くべき事」は、どのようにして抑えればよいのでしょうか。それは、各補助金の公募要領に記載されています。補助金申請書の作成は、公募要領で尋ねられている内容について書くことが基本です。従って、公募要領を読み込み、何について尋ねられているのかを正確に把握する必要があります。
共通する公募要領にある「書くべき事」
ここでは、申請書を作成する際の「書くべき事」について説明します。
補助金には様々な種類が存在しますが、いずれも公募要領にて「書くべき事」が定義されています。これらをしっかりと抑えて、審査員に採択される申請書を作成していきましょう。
審査のポイントを確認
多くの補助金の公募要領では、審査のポイントについては記載されています。申請書を書く際には、まずこのポイントを確認することが重要です。一例として、ものづくり補助金では「審査項目」という見出しで審査のポイントについて記載されています。ただし、公募要領そのものはあまり読みやすい文章ではありません。公募要領を読み込み、キーワードを抽出することが審査のポイントを確認する上でのポイントです。ものづくり補助金の場合のキーワードを以下に列挙します。必要に応じて公募要領と照らし合わせてみましょう。
・市場のニーズ
・ユーザー、マーケット及び市場規模
・技術的な課題
・目標に対する達成度の考え方
・技術的課題の解決方法
・革新的
・価格的・性能的な優位性や収益性
・事業実施のための体制及び技術的能力
・遂行方法及びスケジュール
・補助事業としての費用対効果
・「付加価値額」年率3%
・「経常利益」年率1%
補助金申請書の中で、「事業の具体的な内容」を説明する場合、これらのキーワードを抑えた説明が非常に効果的です。採択事例の多くは、審査ポイントについて漏れなく書かれており、キーワードを抑えることは非常に重要です。
申請する理由を「ストーリー」として組み立てる
審査のポイントを確認したら、次は申請内容をストーリーとして組み立てましょう。ストーリーを組み立てるとは、なぜ補助金を必要とするのかを説明する「話の筋立て」を作ることです。補助金を申請するからには実施したい事業があるはずです。その事業をなぜやらなければならないのか、「現状の課題を解決するため」「成長に必要な目標を達成すため」など様々な理由があるかと思います。これらについて、筋道を立てて説明できるようにストーリーを作っていきましょう。
ストーリーにキーワードを盛り込む
ストーリーを考えたら、次はセンテンスごとにキーワードを盛り込みましょう。例えば、基本的なストーリーを「自社の紹介 ⇒ 自社を取り巻く外部環境 ⇒ 解決すべき問題、達成すべき課題と目標 ⇒ 課題・目標を達成するために実施する事業 ⇒ 事業完了により期待される効果と将来展望」と組み立てたとしたら、それぞれの項目の中で必要とされるキーワードを使っていけばよいのです。
申請書を書く際での注意するポイント
ここでは、申請賞を書く際での注意するポイントについて説明します。いずれの注意点も、審査員にとって読みやすい申請書を作るためのポイントとなります。申請書には読んでもらう相手が存在します。常に読み手を意識した文章を心がけましょう。
小見出しを活用
小見出しを活用して、伝えたい内容の塊ごとに上手に文章を構成しましょう。要点が無く漫然と長く書いてしまうと、審査員にとって読みづらい文章となってしまいます。伝えたいキーワードごとに小見出しを設けるなどの工夫をしてみましょう。
文は短くする
申請書に記載する文章は、一文を短くまとめるようにしましょう。前述の通り、漫然と長い文章は読み手に良い印象を与えません。要点が分かりづらく、本当に伝えたい内容が読み取ってもらえない可能性があります。一文は簡潔に、できるだけ短くまとめるようにしましょう。
専門用語は極力避ける
専門用語は極力避け、誰が読んでも分かりやすい文章を心がけましょう。審査員は、必ずしも自社の業種に精通しているとは限りません。業種内では当たり前の用語であっても、第三者にとっては馴染みのない用語であることも少なくありません。やむを得ず専門用語を使用する場合は、注釈をつける等の工夫をしましょう。
定量的な説明を心がける
申請書に記載する投資効果などについては、定量的な数値を提示してアピールしましょう。単に「機械の導入により生産性が上がる」と記載しただけでは、どれくらい生産性が上がるかの説得力に欠けてしまいます。「機械の導入により生産性が〇倍向上し、製造原価率が〇%下がる事により、当期利益は〇万円を見込む」といったように、具体的な数値を用いて説明するようにしましょう。
まとめ
本記事では、審査が通りやすい補助金申請の書き方について解説しました。
補助金制度を活用することによって、さまざまな事業に取り組むチャンスを掴むことができます。多くの中小企業・小規模事業者にとって、ぜひ活用を検討したい制度です。しかし、申請書の作成する際には、公募要領に基づいたポイントを抑え、審査員に採択される申請書の作成が不可欠です。補助金申請時には、必要な応じて専門家サポートの活用をおすすめします。
専門家サポートを利用することにより、自社のアピールポイントを適格に伝えることができ、採択される可能性が高まります。補助金の申請をお考えの方は、自社だけで悩むのではなく、ぜひ専門家サポートもご検討ください。