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アルバイトにも労働基準法はあるの?アルバイトの雇用の原則

アルバイトにも労働基準法はあるの?アルバイトの雇用の原則

アルバイトを雇用する際には、どのような点に注意すればよいでしょうか。

労働者の雇用については、労働基準法によって詳細に定められており、アルバイトも例外ではありません。労働者の雇用については、労働基準法によって詳細に定められており、アルバイトも例外ではありません。

本記事では、アルバイトを雇用する際に注意すべき労働基準法の内容や、トラブルを未然に防ぐためのポイントについて解説します。

これらから、アルバイトの雇用を検討している方や、既にアルバイトを雇用しており労働条件について気になる方はぜひ参考にしてください。

労働基準法と

労働基準法とは、労働条件の最低条件を定める法律を指します。アルバイトの雇用契約であっても、この労働基準法を下回る契約は当事者間の合意があったとしても認められていません。

アルバイトを雇用する場合は、労働基準法を正しく理解し、ルールに沿った労働条件を提示する必要があります。労働基準法は、全12章から構成されており以下の通りです。

1.労働条件の明示(労基法第15条)

2.解雇の予告(労基法20条)

3.賃金支払いの4原則(労基法24条)

4.労働時間の原則(労基法32条)

5.休憩(労基法34条)

6.休日(労基法35条)

7.時間外および休日の労働(労基法36条)

8.時間外、休日および深夜労働の割増賃金(労基法37条)

9.年次有給休暇(労基法39条)

10.就業規則(労基法89条)

11.制裁規定の制限(労基法91条)

12.周知義務(労基法106条)

アルバイト雇用の原則は「1日8時間まで」

労働基準法では、1日の労働時間は原則8時間までと定められています。また、1週間の労働時間は原則40時間までとされています。

上記は、あくまでも原則のため残業代を支払うことにより労働してもらうことは可能です。しかし残業代についても労働基準法で最低基準が定められており、時給の1.25倍以上を支払う必要があります。

残業代によって増加する人件費を考慮すると、「1日8時間」「1週間40時間」の基準を念頭にシフトを作成することが望ましいでしょう。

また、休憩時間に関しても定めがあり、6時間以上勤務する際には必ず休憩を与える必要があります。勤務時間が6時間~8時間であれば45分以上、8時間以上であれば1時間以上の休憩時間が必要です。

アルバイトでも有給は取れる

アルバイトであっても、

・6か月以上の期間を継続して勤務している
・定められた出勤日の8割以上を勤務している

上記の2つの要件を満たせば有給休暇を取得することができます。

有給休暇は要件を満たすことにより、雇用形態に関係なく取得する権利が発生します。有給休暇は基準を満たす全ての雇用者に与えられる権利であるため、雇用者はアルバイトだからといって有給休暇の取得を拒むことができません。

また、事前に申請をしている場合、雇用者の許可を問わず有給取得日の賃金を支払う義務が発生します。これらに違反した場合、30万円以下の罰金が課せられるため注意が必要です。

アルバイトの労働条件に関する注意点

労働条件の最低基準は、労働基準法により定められていますが実際には正しく運用されていない会社も存在します。

労働基準法は法律によって定められているため、知らなかったでは済まされません。ここでは、アルバイトの労働条件に関する注意点について紹介していきます。自社の労働条件と照らし合わせ、雇用主と従業員の双方が気持ちよく働ける労働環境を実現しましょう。

勤怠管理は適切か

時給により賃金が発生するアルバイト雇用において、勤怠管理は最重要項目です。

就業規則や雇用契約書によって、あらかじめ詳細なルールを定め「タイムカードを切るタイミング」「残業代」「休憩時間」等について明確にしましょう。

勤務時間については給料に直結する項目であるため、特に注意が必要です。「誰が」「いつ」「何時から何時まで」勤務しているかについては、しっかりと把握するようにしましょう。また、アルバイト側の申請についても「休憩時間の過少申告」「遅刻早退の未報告」などの不正が無いか注意が必要です。

最低賃金は充足しているか

アルバイトとして雇用する従業員の時給は雇用契約によって異なりますが、賃金については都道府県ごとに最低賃金が定められています。

当事者間の合意があったとしても、最低賃金を下回ることは許されません。「試用期間中だから」「業務内容が簡単だから」という理由は認められず、必ず最低賃金以上の給料を支払う必要があります。

た、賃金には「賃金支払いの5原則」というルールがあり、「①通貨で」「②全額を」「③労働者に直接」「④毎月1回以上」「⑤一定の期日に」支払わなければなりません。

過度なペナルティ制度はないか

過度なペナルティ制度を設けていないかにも注意が必要です。遅刻の回数に応じて減給するなど、会社の秩序を乱すルール違反に対して、本来もらえるはずの給料を減額することは可能です。

しかし、減給に対しては「1日の減給額が平均賃金日額の半分を超えてはいけない」「減給総額が賃金総額の10分の1を超えてはいけない」という2つの制限があります。

ペナルティに制限があることを知らずに、会社独自のルールによって減給制度を定めているケースも少なくありません。従って、仮に5日連続で遅刻したとしても1日分の給与を減らすようなペナルティは違法となります。

18歳未満のアルバイトの労働時間

18歳未満のアルバイトについて、22時以降の勤務は原則として違法です。労働基準法では、22時から翌日5時までの時間を「深夜労働」と定めています。これらについても、労使の合意に関係なく法律で定められているため、18歳未満のアルバイトを雇用する際には注意が必要です。また、「時間外労働や」や「休日出勤」をさせることも禁止されています。

労働トラブルを回避するためのポイント

ここでは、労働トラブルを回避するためのポイントについて紹介していきます。

アルバイトとの労働トラブルには、種類や原因がさまざまであり、1つの対策によって全てのトラブルを防ぐことはできません。雇用者が労働基準法を正しく理解すると共に、本項で紹介するポイントを抑えて、未然にトラブルを防ぎましょう。

雇用契約書を作成し説明する

アルバイトであっても、雇用契約書の作成は必須です。

雇用契約書の記載内容は法律によって定められており、労働基準法では以下の内容について記載する必要があるとされています。

・労働契約の期間

・仕事をする場所や仕事の内容

・勤務時間、休憩時間、休日、残業の有無、交代制勤務の場合のローテーション

・賃金の決定や計算と支払いの方法、締め切りと支払い時期

・退職に関すること、解雇事由

また、パートタイム労働法により以下についても記載する必要があるとされています。

・昇給の有無

・退職手当の有無

・賞与の有無

アルバイトを雇用する際には、上記8つの項目を雇用契約書に記載し、必ず事前に説明するようにしましょう。

雇用側とアルバイト側の双方が納得したうえで、雇用契約を結ぶことがトラブル回避のための重要ポイントです。また、仮にトラブルに発展した場合であっても、雇用契約書に記載された内容が労働基準法を下回っていなければ、法的な問題はありません。

試用期間を設ける

試用期間とは、正式な採用を決定するまえに「お試し期間」として雇用契約を結ぶことです。正式採用の前に試用期間を設けることで、応募者の能力や勤務態度を知ることができるなどのメリットがあります。

また、アルバイト側においても「業務内容に見合った給料か」「適切な勤務時間か」などについて知ることができるメリットがあります。試用期間後は、双方が納得した場合のみ継続して働くことになるため、労働トラブルのリスクを抑えることができます。

総合労働相談コーナーを活用する

総合労働相談コーナーとは、全国の労働局や労働基準監督署などに設置されている相談窓口です。

まざまな対策を講じてもトラブルが起こらないとは限りません。労働基準法をしっかりと遵守していたとしても、解決が困難なトラブルが発生することもあります。

総合労働相談コーナーでは、あらゆる分野の労働問題を対象とし、相談料は無料であるため活用をおすすめします。また、職場内のいじめ等の問題に対しても、専門の相談員が相談に応じてくれます。

まとめ

本記事では、アルバイトを雇用する際に注意すべき労働基準法の内容や、トラブルを未然に防ぐためのポイントについて解説しました。

アルバイトの雇用には、労働基準法をはじめとした多くのルールが存在します。万が一、労働トラブルに発展した場合、迅速かつ適切な対応が必要です。

また、労働基準法は法律によって定められているため、些細な勘違いやミスであっても、知らなかったでは済まされません。労働基準法を正しく理解し、自社の労働条件について見直してみましょう。