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固定費と変動費を見直して、経費削減するコツ5選

固定費と変動費を見直して、経費削減するコツ5選

経費の削減は企業にとっても大きな課題の一つでしょう。

本記事では、事業の運営に発生する費用について、固定費と変動費に分類して考え、経費削減の方法について解説していきます。事業者で経費削減を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

固定費と変動費の違い

事業を運営していく際には、人件費や事務所の家賃、広告宣伝費などさまざまな費用が発生します。これらの費用を紐解くと、「固定費」と「変動費」の2種類の分けることができます。ここでは、経費削減の基本となる「固定費」と「変動費」の考え方について説明します。

固定費とは

固定費とは、事業の売上の増減とは関係なく、固定的に発生する費用をいいます。

人件費、家賃、水道光熱費、広告宣伝費などが該当します。固定費は、製造や販売などの操業をしていないときであっても、必ず支払が発生します。従業員の給料や事務所の家賃などを例に考えて頂くと分かりやすいかと思います。このように固定費は、原則として毎月固定的に費用が発生するものをいうのです。

変動費とは

変動費とは、事業の売上の増減に比例し、変動的に発生する費用をいいます。

原材料費、販売手数料、運送費、外注費などが該当します。変動費は売上に比例して発生するのが大きな特徴であり、事業活動に付随して発生する費用であることから「活動原価(アクティビティコスト)」と呼ばれることもあります。

原価分解と損益分岐点

ここまでで、固定費と変動費の概要について説明しました。実際に事業活動の中で活かすためには、どのようなポイントを意識するとよいのでしょうか。

ここでは、事業を分析する際の基本である「原価分解」と「損益分岐点」について説明します。

原価分解とは

原価分解とは、事業活動で発生する費用のうち、製造原価について固定費と変動費に分けることをいいます。

「固変分解」と呼ぶこともあり、次に紹介する「損益分岐点」を分析する際に必要となります。原価分解にはいくつかの方法がありますが、会計上の勘定科目ごとに固定費・変動費に分類される「勘定科目法」による方法が一般的です。

損益分岐点とは

損益分岐点とは、売上と費用が均衡し、事業活動による利益がゼロとなる点をいいます。

この損益分岐点を境とし、事業の売上が損益分岐点を上回れば黒字、下回れば赤字として計上されます。損益分岐点は、黒字になるのか赤字になるのかのボーダーラインといえるため、この指標を明確にし「商品をどれくらい売れば黒字になるのか」を見極める必要があります。

経費削減を実践するポイント5選

事業活動で利益を上げるためには、損益分岐点を引き下げることが大きなポイントとなります。

損益分岐点を引き下げるためには、固定費と変動費の両面からアプローチしていく必要があります。ここでは、すぐにできる経費削減方法について、固定費と変動費に分けて5つ紹介します。

固定費を削減する方法

固定費が大きい場合、事業活動で利益が出ない場合であっても毎月一定額の費用が発生うるため、損益分岐点に到達するまでの売上のハードルは高くなります。ここでは、固定費を削減するポイントについて3つ紹介します。

①家賃交渉を行う

オフィスやテナントの家賃は、固定費の中でも大きな割合を占めることが多いです。

家賃を相場以上に支払っているケースは少なくありません。家賃交渉により本来あるべき価格帯まで家賃を引き下げることができれば、大きく固定費を削減することが可能です。

②電気会社の契約を見直す

事業の形態に合った電力会社や契約プランを選択することで、電気代を大幅に削減できる場合があります。

電力使用量の多い会社では、電力会社の見直しにより年間100万円以上も固定費を削減できたケースもあります。

③水道代を削減する

飲食店など水道の利用量が多い業態であれば、「節水コマ」を活用した水道代の削減により固定費を減らすことができます。

節水コマとは、上水道の蛇口内部に取り付けるゴム製又は樹脂製の節水用のコマのことをいいます。洗浄力を保ちながら水道代を削減することができるため、飲食店などの業態にとってオススメの経費削減方法です。

変動費を削減する方法

変動費が大きい場合、売上が上がった時に変動費も増加するため、損益分岐点を超えたとしても利益はそれほど伸びない傾向にあります。ここでは、変動費を削減するポイントについて2つ紹介します。

①仕入先との価格交渉を行う

原材料を購入する仕入先や、外注先との価格交渉を行うことによって、変動費を削減する方法があります。

ただし、これらの方法によって無理に変動費を削減すると、商品の品質低下を招き、顧客離れの原因に繋がる可能性もあるため注意が必要です。商品の品質を保ちつつ変動費を削減していくことに留意しましょう。

②在庫管理の徹底・見直し

在庫管理の徹底・見直しを行い、過剰在庫や不良在庫を抱えないことも、変動費を削減する方法の一つです。

過剰在庫を防ぐためには、最低限必要な在庫数量を設定し、現在どれくらいの余剰在庫を抱えているのかを把握し、効率的な在庫管理を徹底する必要があります。また、売れる見通しがない不良在庫については、思い切った値引を行いまとめて販売してしまうことも選択肢の一つです。

まとめ

本記事では、固定費と変動費の違いや、原価分解と損益分岐点、経費削減の方法について解説してきました。

事業で安定した利益を上げるためには、費用を固定費と変動費に分けて考える、損益分岐点分析が有効です。また、変動費の削減を過度に進めてしまうと、商品の品質低下を招く恐れがあるため注意が必要です。

経費削減を考える際は、まずは固定費の中で削減できる項目を探し、その次に変動費の中で商品の品質に影響しないものを削減していくようにしましょう。